それでも僕らはスポーツトレーナーの世界に夢を見る~知っておきたい現実と可能性~

ABOUTこの記事をかいた人

森部高史

自分軸ライフクリエーター。株式会社Pono Life代表取締役。Kukua Body主宰。アメリカ在住時でATCとしてトップレベルアスリートのケアにあたる。数少ないロルフィング®の資格を持ち、クライアントの身体と心のバランスを整え人生に寄り添い、「先生」と呼ばれる治療家やセラピストを指導する立場にもある。その人柄と結果を導くセッションと講座には全国から参加する人が後を絶たない。

こんにちは。株式会社Pono Life代表取締役の森部高史です。

今日は、「トレーナー」と言う世界について、お話をしていこうと思います。

なぜ、そうしようかと思ったかというと、「目指したいけれど将来が不安」という相談を若者から受けるのと、その現状とは裏腹に「目標を高く掲げれば叶うよ!」と良い面を強調しすぎている大人も少なくない現状があるからです。

ちなみに、僕のスタンスを最初にいっておくと

「やりたいならやればいい。人に言われてやめるくらいなら最初からやらないほうがいい」です。

その理由は後述しまが、それでも興味がある方はこのまま読み進めてください。

簡単な経歴

トレーナーの話をするのに、僕がその業界のことを全く知らなかったら身も蓋もないですし、僕のことを御存知ない方もいらっしゃると思うので、簡単に僕の経歴をお話します。

現在は株式会社Pono Lifeという会社の代表をしています。そこでは個人事業主が自分軸で仕事を作っていくためのセミナー事業を行ったり、Kukuna Bodyというサロンを運営しています。そちらは身体の専門家が集い、学びにきたり、身体を入り口に心まで整える個人セッションを中心としたボディーワークを提供する場となっています。

その前はアメリカでATC(NATA公認アスレティックトレーナー)として活動していました。

NATA公認アスレティックトレーナー(ATC)になるには

  • University of Arkansas, Fayettevilleの大学院を卒業、修士号を取得。ATCに。
  • Housuton Texans (NFL) サマーキャンプインターン
  • Colorado Rockies (MLB)スプリングキャンプインターン
  • University of the Pacific インターンアスレティックトレーナー
  • Stockton Lightning アシスタントトレーナー
  • Plattsburgh State University アシスタントトレーナー
  • University of Hawaii at Manoa アシスタントトレーナー
  • U22男子日本代表ラクロス アスレチックトレーナー

と様々な場所で経験を積んできました。

 

現在は、弊社Pono Lifeの活動を通じて、多くの個人事業主として活動するアスレチックトレーナー、パーソナルトレーナー、ストレングス&コンディショニングコーチ、インストラクター、治療家、専門学校の先生方との深いつながりがあり、働き方や抱えている不安や悩みなどの相談に乗ることも多いです。

ですから、僕が見聞しているものがすべて、とは言いませんがある程度の現状は把握している方だと思いますので、自分の経験も踏まえて書き残していこうと思います。

いわゆるスポーツ現場で働く「トレーナー」についての言及が多くなりますが、ご了承ください。

日本とアメリカは違う

まず、ここまで読まれてきて

「あなたの言っていることは、アメリカを経験してきている立場からでしょ。それは日本とは違うよ」

とすでに思われている方もいらっしゃると思います。

はい、そうです。僕の経験はアメリカがベースです。そして日本に帰ってきてからは自分自身が日本では何の意味も効力も持たないアメリカの資格であるATCというものと、ロルフィング®というものを土台に、個人事業主としてのキャリアをスタートしました。

「日本が良くて、アメリカがだめだ」いうつもりもないですし、「アメリカが良くて日本がだめだ」というつもりもありません。

日本には日本の良いところも、悪いところもあり、アメリカにはアメリカの良いところもあり、悪いところもある、ということです。そしてそれをどのようにとらえ、現実のものとして歩みを進めていくかは、あなた次第です。

日本とアメリカのトレーナーの成り立ちの違い

そもそも日本とアメリカではスポーツを抱える背景が違います。

アメリカではスポーツは大きなビジネス市場として捉えられています。 例えば日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカンフットボールはアメリカにおける国民的スポーツとして圧倒的な人気を誇っています。

私が在学していた University of arkansas はアメフトの強豪校としても知られ、多くの NFL 選手を輩出しています。

キャンパス内にアメフトのスタジアムがあるのですが、都の収容人数は私が在学当時8万人を超える規模のスタジアムでした。ちなみにその8万人というのは町の人口よりも多い収容数です 。そしてそのスタジアムが毎試合、満員になります。

 

一試合で、数億円単位のお金が動くのです。テレビ放映権料、チケット代、スタジアム内での飲食代、グッズ代などなど。そうして多くの利益を生み出しています。

もちろん全てのスポーツでそのように採算が取れているわけではありません。大学の場合は大学全体のスポーツで採算が合うようにしています。ですから人気競技であるアメフト、バスケットボール、野球というところが主な収入源となっています。

また大学が所属するカンファレンスからの分配金というものがあり、分配金の額も無視できません。

The Official Website of the NCAA, part of Turner Sports Digital, part of the Turner Sports & Entertainment Digital Network. The most comprehensive covera...

 

日本と比べると、大学レベルといえどこれだけのシステムが成り立っているのです。もちろんこれはディビジョン1という、一番大きな規模の大学レベルでの話で、これよりも規模の小さなディビジョン2、ディビジョン3という大学またNCAAに所属していない大学での活動も当然あります。

アメリカといえど、環境における違いというものは存在します。しかしながらスポーツが大きなビジネス市場であるという前提で物事が成り立っていることは否めません。

大きな親会社がバックについて、どちらの収益をあてにしながら運営している日本のスポーツ環境とは大きく事情が異なるということを忘れてはいけません。

 

繰り返しになりますが、どちらが良いということを言っているわけではありません。

ですから、こういった文化的・環境的背景を無視して、単純に日本とアメリカにおけるトレーナーの違いを述べていては行けないと思います。

ただ、違いとしては認識しておいていただきたいところです。

日本とアメリカのトレーナーという職業の成り立ちの違い

画的背景や環境的背景が異なるので当然職業の成り立ちというところにも違いが出てきます。

日本という国は世界でも類を見ないくらいの代替医療の宝庫です。またそれぞれの手技手法が素晴らしい結果を残し続けています。

そういった治療の腕に長けている方たちが、体を酷使するスポーツ選手の力になるという形が日本のスポーツ界におけるトレーナーのきっかけとなり、今もその流れは続いています。痛みを取れるという技術は、素晴らしいものであり、重宝されますから当然のことですよよね。

それに対してアメリカにおけるアスレチックトレーナーの成り立ちというものは、尊い命がスポーツ中に失われたために起こった訴訟がきっかけであると言われています。

ご存知のようにアメリカという国は訴訟大国です。

認識されているリスクの高いスポーツ環境を提供しているにもかかわらず、 それを適切に処置できる専門家がいない環境を野放しにしている、ということは大きな問題になり、問題が明るみになった際には高額の訴訟となります。そのリスクを回避するために、アスレチックトレーナーというスポーツ現場を常に見守る専門職が生まれたと言われています。

ある見方をすれば、これは選手を守るためではありますが、もう一つの見方をすればこれは経営陣を訴訟から守るため、という観点もあるのです。

こういった成り立ちなどについては、大学院の授業でいた話ですので詳しい文献などが私の手元にあるわけではありません。ですが訴訟が日本とは比べ物にならないくらい身近にあるアメリカという国では、こういった背景から成り立ったと聞いても何の違和感もない、というのが僕個人の感想ではあります。僕自身もこちらに落ち度はなかったとはいえ、様々な事情から訴訟に巻き込まれそうになったことがあります。その為に自分の身を守るために日々の記録を怠ること無く行っていました。そのお陰で大きな問題にならずにすんだという経験があります。

 

ですから治療というものから派生している日本のトレーナーという業界と、訴訟というリスクを最小限にするために生まれたアメリカのトレーナー事情というものは、当然考え方もアプローチも異なってきます。

どちらが良い悪いではないのです。ただ違うというだけです。

 

各々の環境で、道を切り開いてきた人たちがいるから、今現在私たちもそのバトンを受け取ることができていることは忘れてはいけません。

それによってやりづらくなっていることを感じることもあるでしょう。

ですが、そういった先人たちのおかげで当たり前のように私たちがスポーツ界にトレーナーとして活動できるということだけは絶対に忘れてはいけません。

過去からの流れ、そしてこれからへの道のり

今はインターネットなどの発達また交通システムの発達により、海外の情報というものが多く入ってくるようになりました。数十年前に比べ大学に学びに行くということも気軽にできるようになりました。

情報や経験の交換というものが活発に行われるようになったので、「あちらではこうやっている」「こう言ってやり方の方が良いのではないか」「こういった方が理にかなっているのではないか」 というような議論が当然起こるようになってきます。

これは素晴らしいことだと思います。

ただ同時に異なるものが入ってきたことによって、今まで行なってきたことや、守ってきたものが壊されてしまう、失われてしまう、ということが起こるのも理解できるでしょう。

これに関しては、現実の問題として多くの競技団体やスポーツチームにおいて大小様々な事例が後を立ちません。

それでもこれも当たり前の事なのです。

 

これだけの情報がオープンになってきたのはここ10年-20年程度の話です。

としてその期間の間でもテクノロジーは格段に進歩し、社会が変わっていくスピードというものは格段に速くなっています。

ですから、環境や社会のスピードの変化に、私たちの業界がなかなか追いつけていないというのも当然の話です。こういったことに関しては、各々の活動の場で、個人レベルから対話を積み重ねていく必要があります。

それは、自分本位自分の職を守るためではなく、これから先の未来により良いものを残していくという視点からの対話ということです。

結局のところ仕事としてはどうなの?食べていけるの?

結論から言います。食べて行くことは可能です。生活をしていくことも可能です。

トレーナーやセラピストじゃ食えないって誰が決めたの?

ですが好きだからやっているというだけではやっていくことは難しいでしょう。
海外で学んできたからといって、すぐに仕事にありつけるというわけでもありません。

私と同じ ATC の資格を取って、 アメリカで仕事を取ることができず帰国し、日本に帰ってきてからも仕事がないという ATC はたくさんいます。

これは日本においてもアメリカにおいても、どのようなことにおいても同じことが言えます。

好きを仕事にすることはできるけれど、好きだけでは不十分なのです。

良いものが必要とされる、売れる時代ではない

好きなことを形にするためには、世の中に必要とされている形で提供しなければなりません。

良いものが必要とされるという時代ではもうないのです。

これは特に私のようにアメリカや海外で学んできた人たちが陥る間違いでもあります。スポーツ市場がある程度成熟している海外の環境で学んでくると、そちらの方がより良いものだと思うようになります。

 

街を歩けばサポートしている地元チームのフラッグ屋ユニフォームがいたるところに置いてあり、レストランに行けば何かしらスポーツの試合がテレビ放映されている。

友人との食事、週末の予定などにもスポーツの会話が日常的に行われています。

スポーツを愛するからこそ、日本のスポーツ界に育ててもらい、それに対して恩返しをしたいと思うからこそ、こういった環境に日本をしたいと海外に出た人達は思います。その上でこれだけ良いものがあるのだからこういう風にしたら良いのではないか、ということを伝えてしまうのです。相手のことを考えずに、しかも海外で培ってきたストレートな表現とともに。

これでは受け入れられるはずがありません。

私も同じミスをしてきました。

それぞれの国にはそれぞれの事情があるように、日本には日本の事情があります。 それを一人が意気込んで変えようとしたって変わるわけがないのです。

今の現状はどういった形なのか、そして自分が学んできたものはどのように生かすことができるのか、どのように必要としてもらえるのか、その上で共に歩める未来というものはどういったものか、そこまで考えて行動していかなければならないということはあります。

ただし、あまり悠長なことを言っていると、世の中の流れはこれからもっと早くなっていくのでいつまでたっても追いつかないどころか、周回遅れになっていく可能性も大いにあるので、トレーナー界だけではなくスポーツに関わる全ての人たちが、より良いスポーツ環境のために考えなければならないことでもあります。

現実は厳しい

僕はありがたいことに、当時の目標であった アメリカでフルタイムとして就職をする、ということが叶いました。外国人としてアメリカで働くためには労働ビザを出してもらわなければいけませんが、それは簡単なプロセスではありません。

雇用主にとっては、余計なペーパーワークが増えますし、出費もかさみます。その上でもこの人が欲しいと思ってもらわなければならないからです。

しかしそうして、得た大学でのアスレチックトレーナーとしての仕事ですが、その現実というものはどういったものであったか。

もちろん自分自身が望んで入った世界ですから、やりがいはありました。選手たちをサポートできる喜びというものは計り知れません。

毎日職場に行くことが楽しみでした。

アメリカ時代の生活の一部

トレーナーの世界における長期労働時間というものもさほど気にはなりませんでした。ある程度のキャリアを積むまでは。

僕の最後のアメリカの職場はハワイ大学になるのですが、ハワイ大学もディビジョン1と言う、大学のレベルにおいては一番高いレベルに所属する大学となります。

そこで初の外国人スタッフとしてフルタイムで勤務していたわけですが、最も酷いシーズンの時には朝の4時には職場入りして、夜の11時に帰宅するというような生活がありました。

 

またハワイというのは島ですので、遠征は少なくとも6-7時間の飛行機での遠征となります。シーズン中が1週間遠征に出て、一週間ホームで過ごし、また一週間の遠征に出るというような生活を繰り返します。

遠征中は、24時間体制で選手に何かあった時には対応しなければなりません。

繰り返しますが、やりがいはありとても楽しい時間でした。

 

体力的にきついときは当然ありました、それでも自分はこれをやりたいから海を越えてきたのだという思いもあったので弱音を吐くことはありませんでした。

誰もが積めるわけでもない経験を積ませてもらっていることに感謝もしていました。

自分がこう言ったことを経験することで、それを伝えていくことで日本のスポーツ界と何らかの形で橋渡しができるという思いもあり活動をしていました。

そういった意味でのやりがいは非常にあったのですが、肝心の給与面はどうだったでしょうか。

生活はできます。

ですが十分とは言えません。上記のような働き方をしていながら自分がもらっていたお給料というものは、当時で4万ドルぐらいでした。日本円で換算すると400万円ちょっとです。


正規職員としての活動ですので、保証はされています。ですが金銭的なリターンが十分であるとは言い難い金額です。なにせ朝の4時から夜の11時まで働いてるようなシーズンがあるわけですから。

これは何もハワイ大学がブラックな労働環境だったというわけではなく、どこも似たり寄ったりです。

アスレチックトレーナーにおける平均給与というものは、大体3万ドルから4万数千ドルというようなところになります。しかも7割近くの人が修士号(大学院卒)の学歴を持っている状態で、です。

NATAが平均給与の調査結果を出しています(2016)。約8000人の調査結果で、ここでの結果は僕が言っているものよりも多い額が出ています。ただし、この調査もどれだけ正確かということはわかりません。なぜなら、実際に給与が低い人がどれだけこの調査に協力をしているかは未知数だからです。また、大学などよりも高校の方が給料が良いという現象も昔から起こっています。この調査に協力している人たちの約4割が高校などの環境で仕事をしている人たちと言うことを忘れてはいけません。

地域によっても異なりますし、経験年数によっても異なります。


これはアメリカの大学における話になりますが、プロの環境でも大差はありません。

例えば、野球のマイナーリーグなどにおいては、シーズン中の契約期間が1年に満たないということもあり日本円にして200万円に満たないなかで、長いシーズン、長距離バスでの移動が主な時間を過ごすことに成ります。もちろんビザの問題をクリアした上で、です。

アメリカの環境であればアメフトにしろ野球にしろ、ヘッドトレーナーになれば1000万円以上のお給料を貰うこともできますが、そこに至るまでは10年単位で考えなければ成りませんし、それ以上の時間がかかることもザラです。その間ほぼプライベートがないとっても過言ではないような生活をしています。ATCの未婚率、または離婚率はかなり高いです。

また、首尾よくトントン拍子に進んで、それなりのお給料を貰えるところまでいっても、チームの監督やGMが変わることで、突然自分の職を失うということもありえます。

チームに雇ってもらっても安定している、とは言えないわけです。

日本のプロ野球界でも待遇に関してはあまり変わりはありません。上のリーグにいけばそれなりの対応にはなりますし、背番号が貰えるような役職(コーチ)になれば良いお給料はもらえます。

しかしいきなり、ポッと出てきた新人がそのような役職につけるわけではありません。ですから、最初は数百万円程度からのスタートが良いところでしょう。

お金ではないけれど、知っておきたい現実

ひとつ確実に言えることはお金持ちになろうと思うのであれば、この仕事を選ぶことはやめたほうがいいということです。

何をもって「お金持ち」と言うかは人にもよるでしょうし、可能性がないわけではないですが、お金が目的であれば不動産屋になったりIT系の市場に勤めるほうが、ぐっとその確率はあがります。そもそもの確立されている市場やその規模が大きく異なるからです。

トレーナーとして、一財を築きたいのであれば、どこかでプレーヤーという立場(自分がクライアントを1対1で見る)というところには遅かれ早かれ区切りをつけ、組織づくりのための経営者に転身していく必要があります。

そう、トレーナーのキャリア設計における大きな問題点であり、転換期は「職人」でいるところから「企業家」になるかどうか、というところです。

では、日本ではどういった形で生計を立てているのか

以下のような形で生計を立てている方が多いです。

  • チームと契約して専任として、そこだけの活動でお給料をもらっている
  • 複数のチームと契約してそれぞれのチームからお給料をもらっている
  • 大学のスタッフとして入職し、トレーニングやAT業を行う
  • 大学で教鞭を取る
  • 専門学校の教員となる
  • 個人でトレーニングを見たり、レッスンを行うパーソナルトレーナー業務を行っている(ヨガやピラティスなどの資格を併用して用いるケースも多い)
  • 個人でジムをオープンする
  • 治療院を開業し(鍼灸、整骨院など)、そちらで患者さんを見る
  • セミナー講師や執筆活動を行う

これらを組み合わせて、生計を立てている個人事業主の方が大半です。

キャリアの組み立て方

自分の腕を磨けば、生活に困らなくなると思っている方や、有名チームなどに関われば大丈夫と思っている方もいらっしゃいますが、代表チームを見ていたとしても、金銭的なリターンはほとんどありません。

残るのは、過去に代表チームを見ていた、という実績だけです。それをどのように活かしていくかは、個々人に委ねられています。

こういった現状の中で、活動の幅をひろげていくために、法人化をし職人のフェーズから企業家への道のりを辿る人もいますが、まだまだその数は多くありません。

この段階になると「現場」で1対1で人を見る機会は、激減します。自分一人がフル稼働して1人の相手をすることには限界があるからです。

誤解をしないでいただきたいのは、それが良い、悪いということではなく、自分が何を求めて活動をしているのか、ということです。

生計を立てる事はできているけれど、将来への不安を感じている人は少なくない。

これが現在の、日本のトレーナー界における現状ではないでしょうか。

「今はいい、でもこのペースでいつまでいけるのだろうか、、、、」と。

実際、そういったご相談を受けることも少なくありません。

 

こういった現状を打破していくために、後進の道をつくるべく奔走している方々もいらっしゃいます。

自分もそのうちの一人となっていたいと思います。

 

ひとつ、言えることは

「仕事を与えてもらう」スタンスでいる人は、現在の日本の状況ではトレーナーの道に進む前に良く考えたほうが良い

ということ。

これは何も、トレーナーに限ったことではなく、事業主として活動してく上で大切なことです。

仕事は創り出すもの

前述の通り、トレーナーとしての日々を過ごしていくことは、一般企業に勤めるように受け皿がたくさんあるわけではありません。

チームに専属として入職することが出来れば、職場に行けばその日にこなしていかなければならない、「タスクとしての仕事」は山のようにあるでしょう。しかしその受け皿は限られています。

仕事は与えられるものではなく、創り出すものです。

 

そのスタンスを当然のものとして活動をすることができるのであれば、【お金になる、ならない】ということを心配する必要はありません。

仕事を創り出すことができれば、将来的に不安定などと感じることもありません。

ただ、簡単なことではありません。

トレーナーが学ぶべきこと

そのためには、トレーナーとしての専門的知識の勉強だけでは足りず、その専門的知識や技術を必要としてもらえるためにどのようにしたら、必要とされるかという「届けていく」努力が必要だからです。しかも継続的に。

これは一般的に「マーケティング」の領域になってきます。

しかし、トレーナーの世界でマーケティングを勉強している人はほとんどいません。

 

専門技術を学び、磨いていれば必要とされると思いこんでいるからです。

 

もちろん、知識技術があることはひとつの売りになります。そして知識技術は専門家である以上、呼吸を行うかのように当たり前に日々行っていなければなりません。

しかし、この「届ける」努力を当たり前に継続的に行えている人はほとんどいないのです。

それが、「トレーナーは食っていけない」と言う人たちが多い理由です。

 

「トレーナーという職業が喰っていけない」のではないのです。「生計を立てていくための術を知らないトレーナーが多い」というのが実情ではないでしょうか。

そして、このマーケティングと言う観点をしっかりと認識し、実行、行動につなげていく人は、職人から経営者への道のりを歩み始めるために、現場での指導が少なくなるケースが多いのです。

それでも楽しい、恵まれている、成長させてくれる仕事です

トレーナーはとても楽しい仕事です。とても恵まれている仕事です。僕も普通に生活をしていたら、経験できないことをたくさん学ばせてもらいました。

その御蔭で今があります。大好きな仕事です。

それは目の前の人の人生を好転させていく、大きな役割を担えるからです。ダイレクトにお客様の反応であったり、喜びを共有して頂ける仕事というのはそう多くありません。

やり方によっては、十分な対価を得る事をできる仕事でもあります。

ただし、雇ってもらう事を前提だと、自分が希望する金額を得ることができる環境は限られています。

参考にならないと思う方もいらっしゃるかもしれません

僕は、自分がやりたいことを形にすることが出来ていた人です。アメリカに渡り、ATCになり、目標だったアメリカでフルタイムで仕事をする、ということもしました。それを恵まれているといわれたら、そうかもしれません。そんな人の話は参考にならない、と思う方もいらっしゃるでしょう。僕も自分の話が全てだと思ってはいません。一つの形として聞いておいて頂ければと思っています。

だからといって、自分がものすごく恵まれていたからこういった形になったのか、というと、そういうわけではありません。

26歳でアメリカに渡り、仕事が取れずに帰国することになったらどうなるかという恐怖もありました。求人募集が出ているわけではないけれど、トータルで何十通に及ぶ手紙やメールを各チームや機関におくり、雇って欲しいという旨を伝えたことだってあります。

アメリカ生活を引き上げる時にどうやって日本で活動していけるか不安になったこともありました。たくさんの経験をさせてもらいましたが、中には人には話したくないような苦しい経験もたくさんあります。

経済的に恵まれる仕事をしていたわけではありませんし、全てがトントン拍子だったわけでもありません。

ただ、それでも僕はやってよかったと思っています。それが今の自分という人間をつくってくれたから。

簡単な道のりではありません。

アメリカでその道をあゆみ、帰国してからも日本の現状を見て、現在活動を行っている方々からうけるご相談を元に考えたことを書きました。

これを見て「厳しそうだな、やめようかな」と思った方は辞めたほうが良いと思います。誰かが「はい、どうぞ」と与えてくれるような世界ではないから。

これを読んでも「自分はやりたい」と思った方は、自分で道をつくりだしていくように、仕事を作り出していくにはどうしたら良いかを今から考え始め、行動に移していってください。

 

「この仕事では喰えない」という人ではなく、この仕事で食べていっている人と一緒にいるようにしてください。そしてその人達は、なぜ他の人と違い、食べていけているのかを良く見て、学び、真似をしてください。

そうすれば、道はひらけていきます。

類は友を呼ぶ、にこだわる

ただし、先行者利益のことをわすれないこと

どのようなビジネスにおいても、先行者利益ということは存在します。

先に始めている人のほうが市場をとりやすい、ということです。必ずしも後発組はやりようがないのか、というとそういうわけではありませんし、単に先に始めているだけでうまくいくか、というとそういうわけではありませんが、その可能性は高くはなります。

トレーナーという世界でもそれは一緒です。

10年前にATCというものやストレングス&コンディショングコーチというのは珍しい存在でした。

ですから、そこを開拓していく苦労は当然あるわけですが、それでも「トレーナーです」ということで注目を浴びやすかったことは否めません。

ですから、うまくやっている人から学ぶことはたくさんあるのですが、その先人たちと同じこと「だけ」をやっていても、形にできる可能性は限りなく低いのです。

そしてその先人たちも、日々努力研鑽を専門分野及び、認知してもらうための活動を行っている事を忘れてはいけません。

同等かそれ以上の成果を出すのであれば、それ以上のペースまたは違う角度からのアプローチが必要になるのです。

それでもこの仕事は素晴らしい

繰り返しになりますが、簡単な道のりではないけれど、それでも僕はこの道を選んでよかったと思っています。この仕事が大好きです。

ただし、夢ばかり見せるような無責任なことを言う大人が多いのも残念ながら現実として存在しています。

どんな仕事も夢ばかりではないのかもしれませんが、それでもこの素晴らしい仕事や持っている技術や知識は世の中に大きく貢献できる素晴らしいものなので、この道を進んでいく人たちの一助となれるように自分もこれからも精一杯の努力を重ね、背中を見せていきたいと思います。

参考になることがあったなら幸いです。


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それではまた

森部高史


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