スポーツの世界でトレーナーとして働くために必要な資格と生活できるお給料がもらえるのか、について

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森部高史

自分軸ライフクリエーター。株式会社Pono Life代表取締役。Kukua Body主宰。アメリカ在住時でATCとしてトップレベルアスリートのケアにあたる。数少ないロルフィング®の資格を持ち、クライアントの身体と心のバランスを整え人生に寄り添い、「先生」と呼ばれる治療家やセラピストを指導する立場にもある。その人柄と結果を導くセッションと講座には全国から参加する人が後を絶たない。

こんにちは、森部高史(べぇさん)@moribeimoriです。

今日はスポーツに関わるトレーナーになるためにはどしたら良いのか、そしてその現実についてお話をしていきます。

 

僕自身はアメリカでATC(Certified Athletic Trainer)の資格をとり、NFLのヒューストンテキサンズ、そしてMLBのコロラド・ロッキーズでシーズン前キャンプでインターンをし、カリフォルニア州の大学、ニューヨーク州の大学、そしてハワイ州の大学で働いていました。

日本に帰ってからはU22ラクロス男子日本代表のアスレティックトレーナーもしていました。

 

スポーツに関わるトレーナーになるにはどうしたらよいのか

まずそもそも、「トレーナーとはなにか」についての分類が必要となります。

一言にトレーナーといっても、その活動内容は大いに異なるものになるから。

 

例えば今の日本で「トレーナー」と名乗って活動している人たちはこのようなに分類することができます。

  • パーソナルトレーナー
  • フィットネストレーナー
  • アスレティックトレーナー(日本スポーツ協会:元日本体育協会)
  • ATC(NATA公認アスレティックトレーナー)
  • ストレングストレーナー
  • ヨガ/ピラティスインストラクター
  • その他インストラクター
  • 治療家
  • セラピスト
  • 理学療法士
  • 無資格

とまぁ、ざっと上げてこれらの分類の人たちが「トレーナー」を名乗っています。

 

だからまずは、それぞれの違いを知る、もしくは自分が行いたい関わり方をしている職業がどれなのかを知っているというのが大前提になります。

それでなければ選べないというより、選んだあとに後悔するパターンになってしまうから。

 

自分の進路を決めるためのアドバイスを誰に求めるか

例えば、進路指導においてスポーツ現場を知らない先生が安易に「理学療法士になればスポーツ現場で活躍するトレーナーになれる!」と言ってしまうケースも存在します。

これは進路指導の先生だけの問題ではなくて、生徒が欲しい専門学校がとりあえずそういって生徒を確保しようとするという悪しき風習というところもあります。

 

当たり前の話ですが理学療法士になればスポーツ現場に立てるトレーナーになれるわけではありません。

そもそも理学療法士のフィールドは多岐にわたるので、その中でスポーツの外傷やリハビリに対して時間を費やすことは多くはないわけで、しかもスポーツ現場に立って何かを学ぶなんていうこともカリキュラムの中では皆無です。

 

それで選んでしまうというのは、理学療法士という仕事がどういうものなのかわからないままに選択してしまう側にも大きな問題があります。

自分の進路なのだから、どういった内容を学ぶのか、その後の進路はどのようになっていくのかを見通しておくべきですよね。

 

もちろん、理学療法士としての身体の知識や技術を元に、その後勉強や研鑽を重ね、スポーツ業界に入り込んでいく方も少なくはありません。

ただ、狭き門であることは間違いないです。

 

スポーツ現場に立ちたいのか、スポーツ選手個人をみたいのか

前述のように、スポーツに関わるトレーナーを名乗る人たちが持っている資格は様々なものがあります。

 

後ほども述べますが、「この資格をもっているからスポーツトレーナーになれる」というフリーパスのようなものは存在しませんし、そもそも資格があるから食べるのにこまらない、というわけでもありません。

 

身体のことを学びながら、そのなかでスポーツに特化していくというのが多くの人が歩んでいる道です。

 

アスレティックトレーナー

上記の資格の中で、元々スポーツ現場でチームにベタづきで、サポート業務にあたる目的で作られているのが、僕も保持しているATCの資格です。

そして、そのアメリカのスタイルに似せる形で作られたものが日本スポーツ協会(元日本体育協会)のアスレティックトレーナーの資格。

 

これらはカリキュラムの中で、スポーツ現場で必要とされている選手の予防やリハビリなどに関して学び、チームにおける実習なども行います。

選手が怪我をしないように、怪我をしてしまった場合はより早くより安全に競技復帰するまでの道のりをサポートし、医師やその他医療従事者とともに選手に対して働きかけていきます。

 

ストレングス&コンディショニングコーチ

ストレングス&コンディショニングコーチも同じようにスポーツチームを見る形になりますが、こちらは医療側というよりもトレーニング。

より強く、より早く、より遠くに、ということが達成できるように選手をサポートしていきます。

 

チームへのウォームアップやトレーニングセッションなどを行っていくことになります。

スポーツに直接的に関連している資格というのはこの2つくらいなものです。

 

その他の資格における関わり方

その他の資格で「スポーツ現場に直結」する形で何かを学ぶということはありません。

個々人の解釈や経験によって、自分の持っている知識や技術をスポーツ選手や現場に活用できないか、というところから個々人がアプローチしているというのが現状です。

 

ですから、チームにつくというよりは個人をサポートする形で活動をしている方が多いです。

 

スポーツに関わるトレーナーになるのなら注意しておきたいこと

どのレベルを見ると言ってもおなじことなのですが、アメリカのスポーツ現場や日本のスポーツ現場に長く関わってきた身として感じる危険性というのがあります。

それは、「トレーナー」として活動している人たちの中には、あまりにも体に対する知識、怪我に対する知識、動きに対する理解度が低い人がいる、ということ。

これは特にアスレティックトレーナー、ストレングス&コンディショニングコーチ以外の方に多く見られます。

 

そのため、良かれと思って取り入れたトレーニングやエクササイズが怪我の元になったり、間違えた身体の使い方を覚える結果になったりということがよくあります。

これは、はっきり言ってしまえばその程度の人を選んでしまった選手やチームにも問題があるのですが、「トレーナー」のレベルが玉石混交であるということ。

 

体を絞って、見た目を良くするようなボディメイクを得意とする人がスポーツで必要な動きや怪我のリスクを減らす体作りを行える訳ではありません。

 

また、動きや使い方にこだわりすぎていて、チームとしての活動を無視するような形で選手に指示をしたり、トレーニングを指導したりする人もいます。

 

 

選手は良かれと思って取り入れているにもかかわらず、トレーナーとして関わっている人の不勉強、またはエゴによりマイナス面に働きかけているということも実際に存在します。

 

では結局どの資格を取れば、スポーツ現場で働けるトレーナーになれるのか

結論から言えば、どの資格をとろうが、またはとるまいがスポーツ現場に関わるトレーナーになることはできます。

 

それがアメリカのスポーツ現場で医療サイドのトレーナーになりたいのであればNATA-ATCになる必要があります。

日本でもプロ野球やJリーグでは、鍼灸の資格や理学療法士、またはアスレティックトレーナー(日体協、またはATC)の資格が必要とされている場合もあります。

 

しかし、ここで覚えておきたいのは「トレーナー」と言う資格は日本では国家資格ではなく単なる民間の資格でしかない、ということ。(アメリカでATCは国家資格になりますが、日本では何の意味もありません)

プロレベルではなく、大学、高校、中学といったレベルであれば、「トレーナーしています」と言う人が近寄ってきてくれたらそれは喜んで受け入れてくれるでしょう。

 

それくらい、必要とされているものでもあります。

しかし、次に問題となること。

 

それは金銭的問題。

 

スポーツチームにつくトレーナーはいくら貰えるの?

「トレーナーしています、おたくのチームのお手伝いをさせてください。良い貢献ができると思います」

 

そういえば、ぜひ!と言ってくれるところは多いでしょう。

 

しかし、次にこの言葉を伝えると顔色が変わります。

「では、月に◯◯万円になります。」

 

その瞬間に、「あ、、、じゃあいいです」となる。

これが現状です。

 

トレーナーのお金に関する現実的な問題

「トレーナー」という活動をしていて何チームも掛け持ちをして、一つのチームから月に2−3万円をもらう、または1回5千円程度をもらって過ごしている。そして拘束時間も長い、そんなのが当たり前の現状です。

 

この単価の安さですから、数をこなさない限りは食べていく事はできず、自分の時間を削り常に働いているという状態。

 

プロレベルになると、それがフルタイムとなるのでまとまったお金にはなりますが、それでも1000万円なんていうものには届きません。

 

良いとこ、5−600万円です。

スタート時は200−300万円というところもザラです。

 

プロになれば要求も高くなりますし、また拘束時間も長くなります。

 

僕はアメリカの大学で勤務してチームについていましたが、最後に雇われていたハワイ大学でも日本円にして420万円程度でした。

朝から晩まで働いて、遠征のときは1週間休みなく、ずっとチームにべったりです。

 

もちろん好きでやっていた仕事でしたし、その意義も感じていました。

 

でも最後にはやはり要求されていることと金銭的な見返りについてのギャップがどうしても自分の中で納得いかなくなりました。

 

プロであることを求められるのに、プロとしての成果報酬がない、と言う現状に長くさらされていると向上心があればあるほど辛くなるもの。

 

五輪チームの日本代表チームについたとしても、日当が5000円から10000円程度。

 

もちろん、競技団体によってその財源は異なりますが、トレーナーやその他スタッフに対して報酬を充分に支払うということはありません。

完全に名誉職です。

 

「お金ではない」とは言うけれど

こういった仕事はお金ではありません。

 

自分がやりたいと思ったことをやれることは恵まれたことですし、普通に生活していたら決して経験できないことがスポーツ現場では手に入れることができます。

しかし、「お金ではない」というあまりに「お金で苦しんでいる」人があまりにも多いのも現実です。

 

好きなことは仕事にできます。

しかし、好きだけでは食べていくことはできません。

 

どの資格をとってもスポーツに関わることはできます。

 

そのなかで、自分自身は何を成し遂げていきたいのかをトータルで考えていく必要があります。

自分のジムやサロンを開くということもいいですが、そこにも明確なプランをたてておかなければうまくいきません。

 

五輪選手や有名プロ選手をみていた「トレーナー」活動をしていた方が、満を持して自分のジムをオープンしたらものの売上がたたず、1−2年という短いスパンで閉店する、ということも現実として起こっています。

 

資格がご飯を食べさせてくれるわけではない

何度でもいいますが、資格がご飯を食べさせてくれる訳ではありません。

ご飯を食べられるように稼ぐには、ビジネスをする必要があります。

 

必要なのは事業計画です。

ビジネスプランです。

 

そしてそれを行動にうつしていく、活力です。

 

資格というのは【私は最低限こういう事ができます】という物を証明してくれるだけのただの紙切れ。

国家資格であろうが、民間の資格であろうがそれに変わりはありません。

 

その資格をどのように活かして自分の人生を豊かにしてくか、というのが大きなテーマになります。

 

やる気は大切です。

熱意もとても大切です。

しかし、霞を食って生きていく訳ではありません。

 

どのようなプランを描いているのか、まず考えていくのが大切です。

間違っても安易に「よし、トレーナーになろうかな」で食べていけるような世界でないことは確かです。

 

仕事を与えられる側にいるか、つくる側にいるか

これからトレーナーの活動というのはさらに多岐にわたっていきます。

それは、今までは健康産業に母体がある所が主だったものが今後は他業種からの参入や財閥系が入り込んできます。(すでに入ってきています)

すると、他業種で培ってきたマニュアルを元に、トレーナー養成をおこない「量産」していきます。

 

「自分はそんな気軽にトレーナーになった人たちとは年季が違うから大丈夫」

なんて思っていたら、簡単に足元を救われますよ。

 

すでに、違いがはっきり明示できているだけの存在であるのなら、全くと言っていいほど影響はありませんが、そうでないならばこの波に完全に飲まれるようになります。

 

なぜなら一般消費者には、その程度の違いはわからないからです。

そうなると数が正義になります。多い人たちのほうが正しくなるのです。

 

ただ、この量産型トレーナーも結局は「仕事を与えられる側」。そのいけすの中ではイキイキすることはできますが、外の世界で一本立ちしていくことは簡単にはできません。

 

その働き方が自分にあっているという人は何の問題もなく快適にすごしていくことができるでしょう。

しかしそこに苦しさを感じる人は、どうしたら自分の足でたてるようになるのかを考え行動に移していく必要があります。

 

個人事業主とは仕事が与えられるのではなく、仕事を創り出すひとたちのことだから。

 

うまくやっている人の話を聞いて、実行しよう!

現実として、簡単な世界ではありませんがそれはどの業界でも一緒。

うまくやっている人もいれば、やれない人もいるのです。

 

その時に大切なことは、自分がやりたい形で仕事をしている人、人生を歩んでいる人と一緒にいること。

できている人から学ぶこと、です。

 

こういった仕事をして生計を立てていられる人にはその理由があるのです。

そしてできていない人にもその理由があります。

 

「この仕事ってくえないよね」と言っている人と一緒にいたら、自分も食えなくなります。

 

なぜなら、「この仕事は厳しいのだからしょうがない」と言い訳を言っているから。

それなら、違う仕事や人生の形を選べばいいだけですから。

 

できないことをいつまでも嘆き、恨み節をいうのではなく、どのようにしたら自分が望む形をつくりあげられるか、やる方法を探し行動をしていくのみ。

ただこれは一人ではなかなかできませんし、効率も悪いです。

 

だからすでにあなたが望む生活を体現している人をよく見て、聞いて、しっかりと真似をして行動にうつすこと。

 

それだけで成功の確率はぐっと上がります。

 

まとめ

どの資格をとってもスポーツに関わることはできるし、とらなくてもスポーツに関わることはできます。

資格が保証してくれるわけではありません。

 

金銭的に恵まれている状況ではないので、そのなかでどのようにして自分の「ビジネス」としてプランをたてていくか。

そのためには、すでにできている人と時間をすごし、真似をしましょう。

 

自分は何を人生で達成したいのか、求めているのかを明確に!

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それではまた

森部高史


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