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専門家としてお金を稼ぐ、ということ
先日、フリーランスのアスレチックトレーナーとストレングスコーチと食事をしました。お二人とも下は小学生、上は実業団からプロまで幅広く活動を積んで来ている方々。
僕は現在ロルファー™としてロルフィング®を生活の基盤にしていますが、アメリカで勉強してアスレチックトレーナー(ATC)の資格を取り、アメリカのプロや大学で働いて来たキャリアがロルファーの前にあります
いわゆる「スポーツトレーナー」としてくくられている僕たちはお金を集める、というかお金を出してもらう事を理解してもらう事に苦労したりします
トレーナーの分類:アスレティックトレーナーとストレングスコーチ
アスレチックトレーナーとストレングスコーチというのは同じ身体を扱っているので共通する所もありますが、基本的にアスレチックトレーナーは怪我の処置やリハビリ、怪我をしない身体をめざす医療サイドの人間
ストレングスコーチは、より強く、より早く、とトレーニングを積ませて行くスペシャリスト
「トレーナー」とひとくくりにされるけれど、その内容は全くの別物だったりします
そんな事を最初に書かせてもらったのは「トレーナーが欲しい」と言うチームもまずそもそも「トレーナーって何なのか」という所が非常に曖昧だったりする
積み重ねてきたものは無料で提供できるものではありません
その上で依頼をされた時、お金を出す事を渋る人達が少なくない。
いわゆる「トレーナー」の知恵や技術は無料だと思っている方々が悲しい事にいる、それも結構いる
幸い僕にはあまりそういう事はありませんが、周りの話を聞くとチラホラ当然のようにあったりする
もちろん、お金だけが全てではありません
そもそもトレーナー等やっている人間は基本的にスポーツが大好きで、そこで活動している人間が大好きです
無駄に生きるなら熱く死ぬ、それくらいの思いを持ってやっている人達が殆どです
(中にはそうでもない人もいますが)
スポーツ現場に限らず、必要とされるならば何かしら力になりたい、そう思っている人達です
でもそこを逆手に取っているのか、それとも本当に何も考えていないのかセミナーやワークショプ、もしくは実技指導をする為に呼んでいるにもかかわらずお金の話を一切しない、支払う意思すらない人達も残念ながらいます
僕たちは、途方も無い時間と自分のお金を費やして、現在の知識や技術を得てきました
資格や経験を積んでも更に知識や技術を得る為に有料の講習会などに積極的に参加しているわけです
そういった事を理解して欲しいな、と思うのです
何かを求めたらその対価は支払う、当たり前のルール
レストランで食事をして料金を支払う
本屋さんで本を買ったら代金を支払う
提供されたサービスに対価を支払う
それは当たり前のことです
スポーツ現場でお金の話をするのはタブー?
なぜそれが事「スポーツ」現場になるとお金の話をしないのか
学生相手に「経験を積めるから」無料でやる、というのは本人の意思がそこにあるのであれば何ら問題は無いと思います
ただ、すでに普段はお金を頂いている「プロ」に対してそれを期待するのはお門違いだと思います
そうはいってもお金がないんだから、無い袖は振れないよ
それならそもそもサービスを頼まない
もしくは経験の少ない学生に「経験になるから」という形でお願いをする
(その上でも学生が相談できる相談役は必要だと思いますが)
ただそれだけのことなんです
お金が全てではありません、でもとても大切なことです
前述したように、お金が全てではないです
だから、凄く熱意があって、こちらの今迄の道のりにも理解を示してくれて、でもこちらが提示する物を用意する事がどうしても、どう頑張ってもできない。それでも力が必要なんです
「トレーナー」にも生活があるので、最低限のラインは人それぞれありますが、そうなった時はそうなった時でまた話をする余地があります
ただ最初から「無料でやってください」というか「無料でしょ?」とういスタンス
これは違うでしょう、と
それで受けてくれる人達はやっぱりそれなりですよ、ということ
あなたの仕事、無料でやってくださいと言われたら?
いま、ご自分がされているお仕事
それを「やってください。でも無料でね」
そういわれたらどうしますか?
まず、受けないでしょうし受けたらその仕事(対価がないので仕事といっていいのかわかりませんが)その優先順位は当然低くなるし、責任もうまれないでしょう
そしてそれを受けてしまった場合、他の既にお金を払って提供をしているサービスを受けている方々に対しても不公平になってきます
逆に、高いお金をふっかけて大した事をしていないという人も悲しいかないます。
必要としていることは何ですか?
だからまずは自分たちが「何を必要としているのか」をよく考えて下さい
そしてそれを頼める人はどういう人なのか、をリサーチしてください
その上で「この人だ」と思ったなら、誠意をもって話をしてください
そうしたら展開は変わってくるのだと思います
金額だけが判断材料になっていないか
ロルフィングの現場でも同じで、一回のセッション料は決して安くはないです
そのなかで「こんなのは高すぎる」「もっと安くしろ」という方もいらっしゃいます
でもそういう人達は結局値段がいくらであろうと来ないんですよね
逆に、ロルフィングの考え方や自分というロルファー/施術者に共感して頂ける方々はお金の事は一切仰らない
もちろんそれなりの出費になるので、言わないだけかもしれません
でも僕は、「お金の事が気になるのであればもしかしたらまだそのタイミングじゃないのかもしれません。もう少し待ってみるのも良いかも知れませんよ」
とお伝えしています
この金額が「本当に自分にはこれなのか?必要なのか?」と考える良いクッションにもなってくれている、と思うのです
もしかしたらもっと他に御自身が求めている物があるから迷っているのかもしれないですからね
それでも、他の多くのボディーワークやセラピーの中からロルフィングを選んで頂けて、その中でも僕を選び、来て頂ける人達がいらっしゃるのでもっともっとしっかりしないと、と日々取り組んでいます
まとめ:フリーランスの人間の時間という価値を尊重してください
ちょっと話が膨らんで来てしまいましたが、まとめると
僕ら「フリー」の人間の時間はお金です
そして僕らの技術や知識を必要としてくれるのはとっても嬉しいことです
ただ、僕らもそこに費やして来た時間とお金がありますから無料で、というのは無しでお願いします
その僕らの時間と知識と技術を必要とするのであれば、他のサービスを受けるときと同じように対価のお支払いを当然な形として気持ちよくお支払いいただけるとありがたいです
とこんな所かな、と
「トレーナー」に限りませんが「フリーランス」の方に関するこんな記事もありました
自分も大学スポーツ出身者ですし、現在も日本のスポーツ界に関わっているので色々な状況をしっています
日本のスポーツトレーナー界、人材は豊富だと思います
その人達の力を上手くつかって、競技生活や競技人生そしてその後をより良い物にして行く為にもちょっと理解を示して頂けたら、なんて思います
それではまた
森部高史