DA PUMPって知ってますか?
僕と同世代の方たちだと、4人組のダンスグループというイメージがあると思います。
デビュー曲からヒットを飛ばして、青春時代(この表現自体がふるい、、、)真っ只中だったという方もいるのではないでしょうか。
目次
でもいまやオリジナルメンバーはISSA一人。
「え?そうなの?!」
と思う人も多いはず。
4人体制からメンバーの変更が行われていったのは2006年から。
2009年には9人体制になり、この年オリジナルメンバーはISSA一人に。
現在はそこからまた人数編成が変わり2014年から7人での活動を行っています。
お気づきでしょうか?
すでにオリジナルメンバーが脱退してからは12年が経過し、大人数体制になったのは約10年前。
あれだけ人気を博し、一世風靡していたグループにもかかわらず、僕はこんなにも人数が増えていることに気づきもしていませんでした。10年もの間。
つまりこれは、それだけヒットしていない不遇の時代を迎えていたということになります。
それがここ最近、また注目を浴びています。
それは、3年半ぶりに出したニューシングル、U.S.Aのヒット。
You tubeの再生回数は6900万回を超えています。
空白の10年間
はっきり言って、オリジナルメンバーでなくなってからのDA PUMPの活動については何も知りません。曲も何を出していたのかも、聞いたこともありません。
ただ、ISSAの歌唱力、そして彼を含むメンバーのダンスは20年前に一世を風靡していたときにも図抜けた存在でした。
新メンバー(といってもすでに10年近くになるわけですが、、、)も実力者が揃っているようで、古株でもあるKENZOはダンスの世界大会で8年連続優勝というツワモノ。
・過去にヒットを飛ばしまくっている
・顔も良くてダンスも歌も上手い
・世界大会で連続優勝するようなメンバーが在籍している
こんな経歴があっても10年近く「売れていない」時代がある。
「芸能界は難しいよね−」
っていう話だけではないのです。
ここから自分を仕事にしている個人事業主は何を学ぶか。
常日頃からお伝えしていますが
身体に関わる仕事をしている人たちのなかには
「腕を磨けばお客さんがつき、売れる」と思っている人が多すぎます。
確かに腕は大切です。
だけど、もっと大切なのはそのあなたが一生懸命磨いてきた腕を、技術を届けるためになにをしなければならないか、ということ。
腕や知識はあるけれどそれを届ける事ができずに腐っていたり、他の仕事に移っていった人は驚くほどたくさんいるのです。
こちらの記事には、過去から現在のDA PUMPについての考察が語られています。
高い技術があるのに売れなかった不遇の時代、その時に大人気となっているのはEXILE。
同じようなダンス・ボーカルグループということでそのライバル意識はかなりのものだったようです。
そして記事内で紹介されている先に紹介した世界大会で8年連続優勝しているKENZOは
「本物を追求して、面白くないダンスをぶっ潰していきたい」とまで言っている。これは明らかにEXILEを意識した発言だった。」
と綴られています。
「本質」ということが大好きな僕たちの業界と似ていませんか?
「本質」を追うことの危険性
「本質を追いかけています」
「本質を求めています」
聞こえはとてもいい。頑張れ、って思います。
でもそれがどれだけの人に届いているのでしょうか。
本質を探る、といってそれが誰にも届いていなかったらそれは本質といえるのか。
しかし、ほんとうの意味での本質とは「求められてこそ」のもの。
誰からも求められていない状態では、それは本質からはほど遠いものになります。
このあたりについて、専門家がはまってしまう落とし穴についてはさきほどご紹介した記事の2ページ目にかいてあるので読んでみてください。
すべての物事に共通する本質とは楽しむこと
おそらく、専門領域によって「本質」とは色々な定義があげられると思います。
もしも、全てに共通する本質はなにか、と聞かれたら僕は「楽しむこと」と伝えたい。
このU.S.Aのミュージックビデオ。
曲もどこかちょっと古臭くてユーモラス、決して初めて聞いて「かっこいい!」となるものではありません。
だけど、どこか耳に残り、また聞きたくなる。
メンバーの格好も、ダサい。
なんかジャージみたいで、トンチンカンで、スタイリッシュでもない。
だけど、ダンスの力、そして歌唱力が本物だからそれすらもかっこよくなってしまう。
そう、実力者が本気で楽しんでふざけていると、その楽しさは伝播するし、誰もかなわないのだ。
いくら実力があるからといって、いつも眉間にシワを寄せていては誰も人はついてこない。
恐怖心や損得勘定だけでは人は一瞬ついてきたとしても、メリット・デメリットだけで推し量られ、遅かれ早かれ人は離れてしまうもの。
このミュージックビデオ、またこの曲を歌って踊っている彼らはとても楽しそうなのです。
とはいっても簡単ではない復活までの道のり
・元売れっ子グループ
・知名度バツグン
・実力充分
そんな人達が楽曲に恵まれたら一気に再ブレイクできるか、というとそんなことはありません。
かれらは、地道に地方のドサ周りをしてきました。
僕たち世代からしたら、DA PUMPほどのグループ(昔の知名度のイメージですが)がショッピングモールでライブをしているとか、信じられないのです。
こちらは池袋サンシャインシティでの様子。
こんなに踊れて、こんなに歌えて、しかも踊っているのに息があがっていない、なんて化物です。。。
そんな人達でも全国のモールをどさ回り。
この様子を見て「落ちぶれたな、、、」という人もいると思います。
でもね、関係ないんですよ。だって10年ですよ。世間から忘れ去られて。
それがこれだけ楽しそうにやっている。
それはもしかしたら営業用なのかもしれない、ブレイクの兆しが見えてきているからやる気になっているのかもしれない、それは本人たちにしかわからないです。
でも、大切なことは「やり続けた」ということ。
誰にだってできることではありません。
腐る方がよっぽど簡単。
届ける努力を僕たちはどれだけしているか
彼らのこの10年をしるわけではないのですが、色々なものを読んでいくと簡単ではなかったことがわかります。
でも彼らはまたこのレベルで、人に求められるものを、喜んでもらえるように届けてきた。まさに足で稼いで、泥臭く。
これが人間の持つ魅力であり、やりがいなのだと思うのです。
かっこよく、すまして、簡単に、売れるなんてありえない。
どこかでみんな汗をかいて、涙を流している。
そんな表には出ない時間を汲み取り、応援出来る一人の人間でいたいと僕は思う。
ということで、ダサかっこいい彼らの歌とダンスを御覧ください。
あなたは何を感じますか?
それではまた
森部高史