「どうして法人化したんですか?」
「いいよね、そんなに儲かっていて」
そんなことを個人事業主として始めたKukuna Bodyを法人成りして株式会社Pono Lifeを設立してから聞かれたり、言われたりするようになりました。
はっきりさせておきたいのは、「自分が儲かればいいと思っているだけだったら、法人化なんてしていませんよ」ということ。
自分だけが潤っていればいいのであれば、黙って自分にとって都合の良いことだけをこっそりやっていれば良いのですから。
でもそんなことは小さい、あまりにも小さすぎる。
そもそも会社にしていると色々と面倒なこともあります。個人事業主のほうがよっぽど気楽です。
でもそれでは、このトレーナーやセラピストと言う業界は発展していきません。
僕は自分軸で生きていける人を増やしていきたいのです。
だから社名もPono Lifeとしました。
Pono(ポノ)とはハワイの言葉で、
【本来ある形】【まっすぐで、正直】【正しい方向へ導く】【幸福になる】【繁栄する】【感謝する】
などの意味を持ちます。Ponoとは、全てが本来あるべき状態で
バランスの取れた状態であることを表します。
各々が自分自身のPono Lifeを、という意味合いでホームページアドレスも myponolife.com としています。
セラピスト、トレーナー界の現状
僕は、帰国当時にはコネやツテもなく、まだまだ知られていないボディーワーク(ロルフィング®)というものを提供していたにも関わらず、ありがたいことに多くの方に支えられて今日までやってこれています。それには感謝しかありません。
それでも周りを見渡せば「これでは喰っていけない」という人たちが大勢いる。
一説によればセラピストの平均年収は300万円前後という話も聞きます。僕がアメリカでATCとして大学で最も競技レベルの高く、プロ選手も様々な競技で多数排出しているDivision Iというレベルにおいてもその程度の賃金でした。
もちろんこれはどこの平均値を取るかにもよりますが、中にはこれにも満たない人も大勢いることでしょう。
そんな状態を変えたいのです。
こんなにも素晴らしく、これからの社会で絶対的に必要とされていて、感謝される仕事なのだから。
ただ、多くの場合そもそも生活を成り立たすことの出来ないレベルしか収入を得られないトレーナー、セラピストに共通することがあります。
それはお金に対する考えかた、向き合い方がそもそも間違っている、ということ。
お金に向き合えない不思議な業界
トレーナーやセラピストとして仕事をしていると、お金の話がタブーとなっているところがあります。
しかしながら、僕はこういった現状を変えていきたいし、変わるべきだという思いがあるのでオープンにお金の話をします。
- 「きちんとした対価を得ましょう」
- 「自分の価値を安売りするのはやめましょう」
- 「お金が全てではないけれど、対価をきちんと受け取れるようになりましょう」
そういったことを言っていると
「金の話ばかりだな」
という声が飛んで来ます。
その点について、ツイッターにこんなことを書きました。
元トレーナー、現セラピストとして活動して「お金の大切さ」「価値を安売りしないこと」を話すると、批判を受けます。「金の話ばかりしやがって」と。しかしこれはとても表面的な批判で、最後まで話では聞いてる?と思うけれどそういう人たちは聞く気もないので相手にしない。
— 森部高史(べぇさん) (@rolfer_be) 2017年9月18日
そしてそんななかでも、僕のブログの人気記事はお金についての考察に関したものが多い。みんな本当は気にしているんだよね。多分だけど、批判している人も読んでいるのだとおもう。それならもっとオープンに、お金のことを知りたいとか、お金が好きとか、きちんと態度と言葉にしたようがいいよ。
— 森部高史(べぇさん) (@rolfer_be) 2017年9月18日
技術、知識、ってとても大切で実践していくことはプロとして当然当たり前のことだけれど、だからこそその価値をどういう形で提供しているのか。お金ってもともと信頼関係を見える形にしただけのものだから。その点が分かっていない人が多いのかな、ともおもうけれど。
— 森部高史(べぇさん) (@rolfer_be) 2017年9月18日
そういった批判は届いてくるのだけれど、僕のブログ (https://moribetakashi.com )でよく読まれている記事トップ10のうち半分のエントリーはお金がらみのもの。
そしてそういった記事はFacebookではあまり「いいね」はつかないけれど実は読まれていて、ツイッターではシェアを良くして頂いています。
つまりそれだけ皆興味があるということ。
当たり前のことなのです、個人事業主とは、「個人の」「事業主」なのだから。
事業は継続させることが最も大切なことであり、継続させる為に必要なものは売上です。だからお金のことを真剣に考えるのは、事業を継続させていくため。
その事業が継続しなかったら困るのはすでに来てくださっているクライアントの方々なのですから、個人事業主たるもの、真剣に考えなければいけないのです。
だから僕はブログにも書いていくし、セミナーなども積極的に行っています。
技術、知識はもちろん大切でそれを日々研鑽していくのはプロなのだから当たり前すぎる話だからわざわざそれを持ち出す必要はないのです。
それよりも最もプロ意識を叩き込めるのは、きちんと対価を頂ける、もっとフランクに言えば「稼げる」ということがプロをつくっていく、そう思っています。
だってそれだけ、必要な人に届けられている、ということだから。
もちろんここで言っているのは、表面上で口先だけで良いということではありません。残念ながらそういう人たちも存在します。そしてそういう人たちは滅びて欲しいと心から思っています。一番損をするのは、その人達に身体を預けているクライアントの方々だから。
でもそういう人たちが存在し、大手を振っていられるのも、真剣にやって良いものを持っている人たちがあまりにも声をあげていないからというのも事実です。
その現状を良しとしないためにも、誰かに頼るのではなく、ひとりひとりがきちんと立っていくということが大切なのです。
僕が法人成りした理由
法人化を考えるタイミングとして主なものはよく、以下のような事が言われています。
- 売上が1000万円を超えたら(消費税納税の関係)
- 売上から経費を引いた利益が500万円を超えたら(諸説あり:税金の関係)
- 企業との取引を行っていくため(信頼性)
もちろんこういった要素もとても大切なことではありますし、僕自身も個人事業主からはじめたものを法人成りしたタイミングとしてはこういったことが挙げられていました。
でもそれは、法人成りした理由の一部でしかないのです。
主な理由は、いちトレーナー経験者や一セラピストでも法人成りしていくことは可能であるということを示して行きたかったということが大きいです。
オフィスを西麻布のマンションの1室から現在の麻布十番のオフィスに引っ越しをし、広くしたのも自分のセッションだけを考えるのであればする必要がないのです。
そこに集まれる場をつくりたかったから。
手広く事業展開をしているのではなく、一人でセッションを行っているだけの人間でもこういった場所を借りることは可能だということを見せたかったから。
これだけ必要とされている職業であり、とてもやりがいのある仕事なのだということを、体現してみせたかったから。
「喰っていけないという、トレーナーやセラピストを無くしたい。」
その想いが強いです。
だってこんなにも素敵な職業なのだから。
先輩たちに甘えるな!
トレーナーやセラピスト業界でよく言われるのが
「自分たちの価値を広めよう」という類のもの。
それはとても大切なことです。
しかしながら、そう言っている人たちが自分の言葉できちんと語り続けているのを見たことがありません。
誰かの傘に入って、「そうだそうだー」というのではなく、自分が好きで選んだ仕事なのだから、情熱的に語りませんか?
毎日周りの5人、いや3人に、いかに自分が今の仕事を好きで、情熱的に向き合っているのかを伝えられていたら、「喰えない」なんて言っていないはずだし、その人の周りには十分トレーナーやセラピストというものの価値が伝わっているはずなのです。
業界の先人やリーダー的存在の人たちに任せないでください。
今日、いま、この瞬間から自分の仕事のことを伝えていってみませんか。
これからも株式会社Pono LifeはKukuna Body(麻布十番のボディーワークサロン)を通じて、また僕個人の発信を通じて、様々な価値を届けていきます。
「機会があれば行きたいです」というコメントはいりません。
機会は既につくっています。気になるのなら来てください。変わりたいのなら来てください。
具体的な行動のみが、未来を変えていくことができます。
まずは、もう一人、御自身も株式会社の経営者である方とトレーナー、セラピスト、治療家の経営についてざっくばらんにお話をするこちらの回はいかがでしょうか。
また今年の11月からは、京都でぽのビジを開催します。現在は先行お申込中とのことなので、一般にリリースされたらお知らせします。(ぽのビジについてはこちら)
ぽのビジのその他の開催時期等については、随時ブログやメルマガでお知らせしていきます。
そして2018年2月11日にも、個人事業主としての仕事というテーマに絡めてのセミナーを行います、こちらのお申込は11月1日20時から。(こちらをご覧ください・Facebookフォロー歓迎です。)
仕事は何であれ、自分軸で生きていける人がこれからの社会、大きな力になりますし、それこそが、これからの人生を生きて行く上での大切なカギとなります。
トレーナーやセラピストと言う人たちはとても魅力あふれる人たちです。
自分軸で生き、自分の価値を自分できちんと届けられる人を育てていくこと。
自分にとって会社というのはその器でしかないのです。
その器となるために、僕は会社を起こしました。
僕としてはその受け皿となれるよう、これからもその器を磨いたり、色々な種類の器を用意したり、使い方を提案してみたりしながら日々活動をしていきます。
この器を使うも使わないもあなたの選択です。
それではまた
森部高史